私たちが日々食べているチョコレート。チョコを食べられているのがバナナのおかげだって知ってました?
チョコの原材料であるカカオの生育には、「シェードツリー」という日よけになる木が必要。じつはバナナこそが、そのシェードツリーの役割を担っているんです。
カカオの生育を上から見守るバナナの木。この記事では、カカオの出荷とバナナの木の関係についてご説明します。
カカオの成長に欠かせないシェードツリー、バナナ

チョコの原材料であるカカオは、赤道周辺の温暖かつ雨の多い地域で栽培されます。
カカオ農園を覗いてみると、なぜかバナナの木を始めとする果樹を多く目にします。もちろん、間違えてバナナ農園に行ってしまったわけではありません。
雨が大好きなカカオなのですが、その反面日差しは苦手。直射日光が当たらない日陰で育てられています。
そしてカカオの日傘役になるのがバナナを始めとした果樹たち。カカオを日差しから守る果樹たちを「シェードツリー」と呼ぶのです。
カカオの木はバナナの木たちに見守られて、樹高6~7mまで成長します。まさにバナナは、カカオの見守り役なんですね。
バナナの葉はカカオの加工にも欠かせない

カカオは、収穫されて出荷される前に「発酵」の工程を経ます。そして、この発酵の工程にも、バナナが深く関わってくるのです。
収穫されたばかりのカカオの実は、あのチョコレート特有の香りがしません。発酵の工程を経て初めて、香りの元となる成分が作られます。
私たちが普段見るカカオは、カカオの種の部分。カカオポッドと呼ばれるラグビーボール状の実の中から取り出されたカカオの種は、パルプと呼ばれる白い果肉に包まれた状態で発酵を行います。
発酵方法の1つに、バナナの葉にくるんで数日間放置する方法があります。
大きくてしっかりしたバナナの葉は、カカオが発酵するベッドにぴったり。チョコレート特有の香りも、バナナのおかげで生み出されていたんですね。
カカオの育ての親、バナナ
バナナの木はカカオの成長に欠かせない、いわば育ての親のような存在です。
幼いカカオを直射日光から守り、豪雨が降ればクッションの役割を果たし、発酵の工程ではベッドの役割まで果たす。カカオが産まれてから出荷されるまで、その姿を見守り続けるバナナ。
チョコをおいしく食べられるのもバナナのおかげと知れば、いつも食べているバナナに敬意を払わずにはいられないかもしれませんね。