近年、健康効果が注目されている発酵食品。漬物や納豆など、私たちの生活に馴染みのある食品も数多くあります。
でも、チョコレートが発酵食品だって知ってました?
じつは、チョコレートの原材料であるカカオは、発酵の工程を経てから出荷されます。日本で目にするカカオはほぼすべて発酵済みなのです。
この記事では、チョコと発酵の意外な関係をお届けします。
チョコレートに使うカカオは全部発酵済み
甘くておいしい、みんな大好きチョコレート。じつはチョコレートが発酵食品だということはあまり知られていません。
チョコレートが発酵食品である理由、それは原材料のカカオにあります。
日本に輸入されるカカオは、その全部が発酵済み。生産国で発酵の工程を経て輸出されます。
私たちが普段目にする、いわゆるカカオとは、カカオの種のこと。
カカオの種は、カカオポッドと呼ばれるラグビーボール状の実の中に、パルプと呼ばれる白い果肉に包まれて入っています。
カカオの種は、パルプと一緒に取り出され、バナナの葉にくるまれたり、木箱に詰められた理して、数日間発酵します。
発酵の工程でパルプは溶け、私たちのよく知るカカオの種が取り出されるというわけです。
発酵が生み出す香ばしいチョコの香り

私たちを魅了するチョコ特有の香り。あのかぐわしい香りも、じつは発酵の産物なのです。
そしてその香りは、お醤油やお酒と同じように、発酵の方法や環境によって複雑に変化します。
カカオの発酵には複数の菌が関わっており、数日の間に乳酸菌や酵母菌、糸状カビなどが現れたり消えたりします。
どんな菌がどのように出現するか、これは現地の環境や発酵方法などが複雑に影響して起こるため、その菌模様はまさに十人十色。もちろん香りも同様です。
カカオ豆からチョコになるまでを一貫して管理するビーントゥバーチョコレートの世界では、この唯一無二の香りに惚れ込んで生産地を決めることもあるほど。
まさにカカオの香りは一期一会、生産地の数だけ香りのバリエーションがあるんですね。
産地の数だけ香りがある。菌の数だけ香りがある
チョコレートの香りと密接な関係を持っている菌たち。しかし、その事実は思いのほか知られていません。
ビーントゥバーチョコレートを食べる機会があったら、カカオ豆の産地と、その香りに注目してみてください。まるでワインをテイスティングするように、チョコレートフレーバーの世界が広がっています。